材質は「高分子・メディカルグレードポリウレタン」です。
この材質はポリカーボネートよりも丈夫で、生体親和性にも優れた材料です。(※バイオコンパティブル)
原材料には環境ホルモン物質とされる、「ビスフェノールA」を含みません。ビスフェノールAについては、その毒性により、厚生労働省からも、使用上の制限等について注意喚起がなされています。
※厚生労働省「ビスフェノールAについてのQ&A」はこちらを参照
一方、ポリウレタンは医療分野では人工骨や体内チューブなどに使用され、一般的な分野では、ボーリングの球(表側の硬い部分)などに、採用されています。
アイパスは、日本の先生方や患者様を考慮し、日本でプロデュースされました。
開発時のテーマは「人にやさしい」と言う、ばく然としたものでしたが、製品における具体的なものは、下記5つの点が挙げられます。
POINT 1 | 患者様の生体にやさしい原材料を採用。 |
---|---|
POINT 2 | 患者様の違和感を抑えるため、丸みを帯びた形状。 |
POINT 3 | 術者の接着時の操作性から、ベース面カーブの追求。 |
POINT 4 | 強度を保ちつつ、片側結紮を可能とした、本格的なツインウィング。 |
POINT 5 | 治療の効率化のため、ロープロファイル、ローフリクションの実現。 |
フリクションにつきましては、アイパスⅡのスロットにおける、摩擦抵抗が少ない事の検証や、これを用いる事が治療上効果的である事について、福井市でご開業の、東京医科歯科大学歯学部附属病院 矯正歯科外来臨床教授、島芳夫先生の論文(英文)をご紹介させて頂きます。
島 芳夫先生
Effectiveness of low binding frictionalmaterials:
Evaluation of the binding frictional resistance of improved superelastic nickel-titanium alloy wires with different bracket combinations
低摩擦材量の有効性:
改良型超弾性ニッケルチタン合金ワイヤーと各種ブラケットとの組み合わせによる摩擦抵抗に関する評価
また、さまざまなボンディング材に対応するよう、接着面にはダブテイル(特許)を採用。
ダブテイルとは、歴史ある建築技術の「あり継ぎ」の事です。くさび型の形状をつなぐ事で、引っ張り強度が増す構造となります。
さらに、このベースの近遠心方向は接着材の遁出路(とんしゅつろ)となり、余剰の接着材が一定方向へ逃れるため、接着面全体に接着材が行き渡りやすくなり、機械的な結合力が増す構造となっております。
このため矯正用接着材の種類を選ぶことなく、光重合のボンディング材にも、ご使用頂けます。
ただし、この接着面は、くぼみ(凹)部分に、しっかりと接着剤を入れて頂く必要がございます。
※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。
色調については、開発当初、さまざまな意見もありましたが、
光の乱反射でキラキラする透明色ではなく、それぞれの歯牙の色調にマッチしやすい、半透明・白濁色を採用しました。
この色調のイメージと致しましては、やや透明感のある、お米(生)や、すりガラスのような色調で、黄色っぽくなく、真っ白でもありません。
半透明であることから、各種のシェードにも、ぼんやりと「なじみやすく」なります。
「 iPassⅡ /アイパス・ツー 」はアイパスの現行モデルですが、
「アイパス」とは、先生(I)から、患者様に「愛」を、つないで(Pass)頂ければとの思いから名付けた、
造語となります。